DIARY
鉋の練習
この1ヶ月半、毎日深夜まで時間を忘れるほど夢中になって鉋の練習をしている。 きっかけは大工の渡辺さんとの出会いだ。 毎年行われる鉋の全国大会でも決勝常連のスペシャリストの彼は俺と同じ歳の42歳。彼が見せてくれた0.003ミリという薄さのカンナ屑はただの屑ではなく、突き詰められた美そのものだった。 「俺に鉋を教えて下さい!」 その日から東京と新潟で離れているがメールという文明の利器のお世話になって、ほとんど毎日、時には深夜まで俺の質問に彼が図解や動画を交えて本当に丁寧に教えてくれる日々が始まった。 砥石は何を?研ぎの順番は?刃の角度は?台の直し方は?などなど基礎からの質問に対して、彼は努力と年月を懸けて修得したノウハウを惜しむことなく伝えてくれる。 その教えを全てメモに整理して、一つ一つ実践していく毎日だ。 あまり簡単に感謝感謝と言うのも好きでないが、こればかりは「感謝」以外の言葉が見つからない。 「鉋の薄削り」という技術は大工さんが柱などを仕上げる時に使う技で家具づくりにおいて使うことはない。 しかし鉋という道具を究極まで突き詰める事で可能になる「薄削り」を身につけることは、自分の家具作りの底上げになるだろう。 そして何よりやってて楽しい! こんな機会を与えてくれた彼に思いっきり腕を振るった椅子を作ってお返ししようと思っている。 3月には新潟の渡辺さんの工房におじゃまして直接指導してもらう予定だ。 再会できることが楽しみで仕方がない。
鉋の練習
この1ヶ月半、毎日深夜まで時間を忘れるほど夢中になって鉋の練習をしている。 きっかけは大工の渡辺さんとの出会いだ。 毎年行われる鉋の全国大会でも決勝常連のスペシャリストの彼は俺と同じ歳の42歳。彼が見せてくれた0.003ミリという薄さのカンナ屑はただの屑ではなく、突き詰められた美そのものだった。 「俺に鉋を教えて下さい!」 その日から東京と新潟で離れているがメールという文明の利器のお世話になって、ほとんど毎日、時には深夜まで俺の質問に彼が図解や動画を交えて本当に丁寧に教えてくれる日々が始まった。 砥石は何を?研ぎの順番は?刃の角度は?台の直し方は?などなど基礎からの質問に対して、彼は努力と年月を懸けて修得したノウハウを惜しむことなく伝えてくれる。 その教えを全てメモに整理して、一つ一つ実践していく毎日だ。 あまり簡単に感謝感謝と言うのも好きでないが、こればかりは「感謝」以外の言葉が見つからない。 「鉋の薄削り」という技術は大工さんが柱などを仕上げる時に使う技で家具づくりにおいて使うことはない。 しかし鉋という道具を究極まで突き詰める事で可能になる「薄削り」を身につけることは、自分の家具作りの底上げになるだろう。 そして何よりやってて楽しい! こんな機会を与えてくれた彼に思いっきり腕を振るった椅子を作ってお返ししようと思っている。 3月には新潟の渡辺さんの工房におじゃまして直接指導してもらう予定だ。 再会できることが楽しみで仕方がない。
平塚剛史の誕生会
平塚タケちゃん32歳の誕生会をした。KOMAに来て4年目になる。嘘や悪口、言い訳や責任転嫁などのみっともない類いの事を一切せず、責任感も意地も根性もあって、建築士免許なども持っていてモノづくりに対するスキルも知識も情熱もある。社会人としての経験も豊富で変に甘えてくる事もなく無駄な愚痴も言わないが、きちんと意見は言う。そのくせ、どこか掴みどころの無い自由人であり、ほど良くドジでもある。まあ何れにせよ、いつもニコニコ穏やかな男らしさがあって、出会えて良かったと思える最も信頼が持てる仲間の一人だ。彼が入社した当時はまだまだ厳しい仕事環境で、受け身の仕事が多く常に納期に追われていて、休みは月に4日程度で少なくとも1日15時間は働いていた。疲弊した若い衆が次々に辞めてしまったタイミングでもあり、新しいチャレンジどころか優先すべきは「立て直し」という状況で、自分自身もイライラしていることが多かったように思う。それが少しずつ改善されて、今では1日8時間で月に10日の休み。みんなでクリエイションに時間を使えるようになった。それぞれの良いところが活かせて、作りたい物やヤリたい事そのものが仕事になる体質に少しずつ変わってきている。平塚タケちゃんはキツい時期を共に乗り越えてくれて、今の環境づくりの立役者の一人でもある。「失敗は成功の素」なんて昔からよく聞くけど、本当にその通りで失敗も無しに楽して上手くいくほど世の中アマくないってことは独立して15年で嫌というほど学んだが、まあ逆に考えれば、小さな失敗をなるべく沢山スピーディーに積み上げれば、そのまま小さな成功の積み上げになる。そして、その小さな失敗に掛けられる時間と労力とお金のサイズが大きくなっていく事そのものが成長だ。そうすると失敗することも楽しみの一つになってくる。なんて楽観的に考えられるのも信頼出来る仲間のお陰である。今後は、彼の知識や探究心を活かして新しい商品開発を一緒にやっていきたい。たくさん失敗しながら共に成長していけたらと思っている。 We had the 32 years old birthday party of Takeshi Hiratsuka. We have spent 4 years since he joined KOMA. He has never made fool of himself including...
平塚剛史の誕生会
平塚タケちゃん32歳の誕生会をした。KOMAに来て4年目になる。嘘や悪口、言い訳や責任転嫁などのみっともない類いの事を一切せず、責任感も意地も根性もあって、建築士免許なども持っていてモノづくりに対するスキルも知識も情熱もある。社会人としての経験も豊富で変に甘えてくる事もなく無駄な愚痴も言わないが、きちんと意見は言う。そのくせ、どこか掴みどころの無い自由人であり、ほど良くドジでもある。まあ何れにせよ、いつもニコニコ穏やかな男らしさがあって、出会えて良かったと思える最も信頼が持てる仲間の一人だ。彼が入社した当時はまだまだ厳しい仕事環境で、受け身の仕事が多く常に納期に追われていて、休みは月に4日程度で少なくとも1日15時間は働いていた。疲弊した若い衆が次々に辞めてしまったタイミングでもあり、新しいチャレンジどころか優先すべきは「立て直し」という状況で、自分自身もイライラしていることが多かったように思う。それが少しずつ改善されて、今では1日8時間で月に10日の休み。みんなでクリエイションに時間を使えるようになった。それぞれの良いところが活かせて、作りたい物やヤリたい事そのものが仕事になる体質に少しずつ変わってきている。平塚タケちゃんはキツい時期を共に乗り越えてくれて、今の環境づくりの立役者の一人でもある。「失敗は成功の素」なんて昔からよく聞くけど、本当にその通りで失敗も無しに楽して上手くいくほど世の中アマくないってことは独立して15年で嫌というほど学んだが、まあ逆に考えれば、小さな失敗をなるべく沢山スピーディーに積み上げれば、そのまま小さな成功の積み上げになる。そして、その小さな失敗に掛けられる時間と労力とお金のサイズが大きくなっていく事そのものが成長だ。そうすると失敗することも楽しみの一つになってくる。なんて楽観的に考えられるのも信頼出来る仲間のお陰である。今後は、彼の知識や探究心を活かして新しい商品開発を一緒にやっていきたい。たくさん失敗しながら共に成長していけたらと思っている。 We had the 32 years old birthday party of Takeshi Hiratsuka. We have spent 4 years since he joined KOMA. He has never made fool of himself including...
椅子のフィッティング
椅子のフィッティングをしに岡山県から工房までお客さんが来てくれた。KOMAの椅子との出会いは、パンのスイーツ専門店「カフェルセット鎌倉」だったと話してくれた。鎌倉旅行に来ていたその日は雨で、たまたま入ったカフェの古民家を改装した店内も心地良く、そこでのんびり1日を過ごす事に。「そう言えば1日座ってるけどこの椅子ぜんぜん疲れないぞ?!」でKOMAに興味を持っていただいた。ただKOMAは「常に進化しながら今の一番を創りたい」という理由から、ある一部の定番品を除いてほとんどが数量限定品だ。そしてお客さんがカフェで座った椅子も例に漏れず既に廃盤品となっていて、後継モデルで対応する事になった。が、それがお客さんの体格に合わなかった。「あの時のカフェで感動してようやく手に入れたKOMAの椅子だからこそ、一生の相棒として完璧に納得のいくモノにしたい。」と問い合わせをいただいた。そんなふうに思ってもらえて凄く嬉しかった。東京郊外の工房まで御足労いただく事になってしまうが、もしそれが可能なら徹底的に追求したい。そして冬の寒い工房で数時間お付き合いしていただけるなら向き合って一緒に「完璧」を仕上げたい。そうしてお客さんが工房まで来てくれた。物をつくっていて「完璧」を得る事はない。いつも目指しているが手が届かないものであり、近づくほど遠くに感じるものだ。特に椅子という道具はあらゆる物の中で最も人の体との関わりが多い道具である。触れる面積はもちろん、全体重を支えながら人の動きにも耐え、もちろん個人の対格差によって座り心地は大きく異なる。そして人の体は複雑な3次曲面で構成されていて、それがグニャグニャと曲がりながら形を変える。「座り心地の良い椅子」の定義は長く座っていても疲れないという事だ。例えば5時間椅子に座っているとして、ずっと同じ体勢でいる人はまずいない。スッと背筋を伸ばしたり、ダラリと体勢をくずしたり、肘にもたれかかったり椅子という空間の中で人は様々な体勢をとる。そのどれもが心地よいというのが座り心地の良い椅子ということになる。高さ、角度、奥行き、カーブなどなど様々な要素が複雑に合致してはじめて叶うものだ。だからこそ機械加工ではなく人の手作業の必要性があり、椅子づくりには終わりのない難しさと楽しさがあるのだ。作り手が勝手に感じる「完璧」なんてのは何の意味もないように思うが、ただ、そのお客様一人にとっての「完璧」は作る事が出来るかもしれない。今回は作り手としてそんな「ただ一つの完璧」に近づける嬉しい機会だった。お客さんを目の前に、鉋で削っては座ってもらうの繰り返し。高さ、彫り込み、角度の調整。鉋の一掛けで刻々と座り心地は変化していく。「どうでしょう?」「う〜ん膝の裏が少し当たるかな〜」削る、切る、座る。共同作業で少しずつ理想に近づいていく。「コッチは良くなったけど今度は太腿の裏が少し圧迫されるかな。。」お客さんが求めているカタチが少しずつ伝わってくる。前後の脚の長さの違いで全体の角度も変わる。前脚を2,5㎜カットしてみる。角度によって背中の当たりにも影響する。次は後脚を5㎜カット。ひざ、もも、おしり。座面の前から後ろへのラインの流れが見えてくる。またもう少し脚をカット。少しずつ少しずつ。そろそろ3時間が経とうとするころ。「どうでしょうか?」目を閉じてじっくり確かめるように座る。暫しの沈黙。ゆっくり目を開けながらニッコリ笑って「完璧!!」ヨシ!!キター!!思わず握手!!一脚の椅子を間に置いて、一人のお客様と向き合う事で多くを感じる時間だった。「喜んでもらえるものをつくる」それを叶える為に技術を追求し経験を重ねていくことが職人の仕事である。すごくシンプルな事にあらためて気づかせてもらえて本当にありがとうございました!!1月の最終週は岩手県の夏油までスノーボード社員旅行に行ってきた。たくさん遊んで飲んで食って笑って楽しい思い出がまた一つ。何かの縁で集まれた仲間達と色んな思い出を共有することも仕事をする一つの意味だと思う。 カフェルセットさんHP One client visited our factory from Okayama prefecture. He met KOMA chair at the cafe specialized in sweets made of breads "cafe recette Kamakura". It was rain when...
椅子のフィッティング
椅子のフィッティングをしに岡山県から工房までお客さんが来てくれた。KOMAの椅子との出会いは、パンのスイーツ専門店「カフェルセット鎌倉」だったと話してくれた。鎌倉旅行に来ていたその日は雨で、たまたま入ったカフェの古民家を改装した店内も心地良く、そこでのんびり1日を過ごす事に。「そう言えば1日座ってるけどこの椅子ぜんぜん疲れないぞ?!」でKOMAに興味を持っていただいた。ただKOMAは「常に進化しながら今の一番を創りたい」という理由から、ある一部の定番品を除いてほとんどが数量限定品だ。そしてお客さんがカフェで座った椅子も例に漏れず既に廃盤品となっていて、後継モデルで対応する事になった。が、それがお客さんの体格に合わなかった。「あの時のカフェで感動してようやく手に入れたKOMAの椅子だからこそ、一生の相棒として完璧に納得のいくモノにしたい。」と問い合わせをいただいた。そんなふうに思ってもらえて凄く嬉しかった。東京郊外の工房まで御足労いただく事になってしまうが、もしそれが可能なら徹底的に追求したい。そして冬の寒い工房で数時間お付き合いしていただけるなら向き合って一緒に「完璧」を仕上げたい。そうしてお客さんが工房まで来てくれた。物をつくっていて「完璧」を得る事はない。いつも目指しているが手が届かないものであり、近づくほど遠くに感じるものだ。特に椅子という道具はあらゆる物の中で最も人の体との関わりが多い道具である。触れる面積はもちろん、全体重を支えながら人の動きにも耐え、もちろん個人の対格差によって座り心地は大きく異なる。そして人の体は複雑な3次曲面で構成されていて、それがグニャグニャと曲がりながら形を変える。「座り心地の良い椅子」の定義は長く座っていても疲れないという事だ。例えば5時間椅子に座っているとして、ずっと同じ体勢でいる人はまずいない。スッと背筋を伸ばしたり、ダラリと体勢をくずしたり、肘にもたれかかったり椅子という空間の中で人は様々な体勢をとる。そのどれもが心地よいというのが座り心地の良い椅子ということになる。高さ、角度、奥行き、カーブなどなど様々な要素が複雑に合致してはじめて叶うものだ。だからこそ機械加工ではなく人の手作業の必要性があり、椅子づくりには終わりのない難しさと楽しさがあるのだ。作り手が勝手に感じる「完璧」なんてのは何の意味もないように思うが、ただ、そのお客様一人にとっての「完璧」は作る事が出来るかもしれない。今回は作り手としてそんな「ただ一つの完璧」に近づける嬉しい機会だった。お客さんを目の前に、鉋で削っては座ってもらうの繰り返し。高さ、彫り込み、角度の調整。鉋の一掛けで刻々と座り心地は変化していく。「どうでしょう?」「う〜ん膝の裏が少し当たるかな〜」削る、切る、座る。共同作業で少しずつ理想に近づいていく。「コッチは良くなったけど今度は太腿の裏が少し圧迫されるかな。。」お客さんが求めているカタチが少しずつ伝わってくる。前後の脚の長さの違いで全体の角度も変わる。前脚を2,5㎜カットしてみる。角度によって背中の当たりにも影響する。次は後脚を5㎜カット。ひざ、もも、おしり。座面の前から後ろへのラインの流れが見えてくる。またもう少し脚をカット。少しずつ少しずつ。そろそろ3時間が経とうとするころ。「どうでしょうか?」目を閉じてじっくり確かめるように座る。暫しの沈黙。ゆっくり目を開けながらニッコリ笑って「完璧!!」ヨシ!!キター!!思わず握手!!一脚の椅子を間に置いて、一人のお客様と向き合う事で多くを感じる時間だった。「喜んでもらえるものをつくる」それを叶える為に技術を追求し経験を重ねていくことが職人の仕事である。すごくシンプルな事にあらためて気づかせてもらえて本当にありがとうございました!!1月の最終週は岩手県の夏油までスノーボード社員旅行に行ってきた。たくさん遊んで飲んで食って笑って楽しい思い出がまた一つ。何かの縁で集まれた仲間達と色んな思い出を共有することも仕事をする一つの意味だと思う。 カフェルセットさんHP One client visited our factory from Okayama prefecture. He met KOMA chair at the cafe specialized in sweets made of breads "cafe recette Kamakura". It was rain when...
武内マイちゃん誕生会
武内マイちゃん25歳の誕生日会をした。何をやってもちゃきちゃき手際がよくて、せっかちな俺にとっては本当に助かる存在で椅子部門の一番弟子だ。買い出し、掃除、軽作業の雑用係としてKOMAに入ってきたのは5年前になる。当時はぬるいアマちゃん小娘で何の期待もしていなかったから、会話どころか目を合あすこともなかった。1年半を過ぎた頃からか少しずつ頭角を現してきたのは、刃物を使った椅子の仕上げ部門。陰での努力もあったろうが、とにかく刃物を使う感覚が良かった。これは、いくら練習しても人によっては一生できない内容でもあるように思う。技術的にももちろんだが削り出した最終的な形状の正解は、俺の頭と手の中にだけ存在していて、それを理解するのがまず難しいからだ。だからアシスタントを育てることそのものが難しい分野で、俺だけでは生産力に限界がありプロパーの定番商品づくりには手が出せずにいた中、それが出来るようになったのも彼女の成長の力が大きい。手作業ならではの座り心地などの機能にこだわりながら、定番として数を作りコストを抑えて市場に出せる。現在のKOMAのスタイルである「一点物作品のクオリティーを製品に落とし込む」を実現する切っ掛けのキーマンは彼女であると言っていい。今では、職人としての製作以外にも製品の在庫、納期、若衆の技術指導から出勤や給与、俺のスケジュールなど様々を管理するマネージャー的な役割までこなしてくれる。3〜4年前、若い衆が次々に辞めてしまう時期にも彼女だけは残ってくれて今のKOMAをつくる一つの原動力になってくれた。とにかく求められたら、どんなことでも弱音を吐かず全力で取り組んでくれる意地と根性の塊みたいな人である。今では会社の方向性を決める会議にも参加して、共有した意志を若い衆に伝えて引っ張る役割もこなそうとしてくれている。そうやってヤルことヤッてスジを通して、会社に対してもきちんと意見もする。それでも俺の直下だからキツい言葉で一番怒られるのも彼女の役割だ。おそらく全ての経営者が「こんな子がいてくれたら会社が良くなるだろうな〜」と理想に想うであろう「こんな子」だ。上手くいったら儲けもんだし、下手こいても元に戻ればいいだけで失うモノなんて何もない。年齢も性別も経験年数も関係ない。ガンガン新しい事にチャレンジしてドンドン成長しよう!ってのがKOMAのスタイルで、それを理解して体現しようと先頭に立って努めてくれているのが彼女である。一人一人のオリジナリティーが輝く会社にしたいと願っている俺にとって彼女は、まさにそんな理想を現実にしてくれる第一歩であり超嬉しい存在だ。経験年数はまだ5年の25歳。力も必要な職人としては大きなビハインドを持つ女性だ。そんな彼女が「だから?なんでアタシにできて、あんたら男にできないの?」なんて態度で黙々と仕事をする後ろ姿に、いつも心の中で喝采をおくっている。そんな彼女がTV番組「にじいろジーン」に出演します!!関西テレビ(フジテレビ系列)8チャンネル3月10日(土)8:30〜9:55の9:20頃からミラクルチェンジのコーナーです。長々と番組の宣伝でした〜笑乞うご期待です!! We held the party celebrating 25th birthday of Takeuchi Mai-chan. She is efficient and quick, thus, given my impatience, I truly rely on her and first disciple in chair...
武内マイちゃん誕生会
武内マイちゃん25歳の誕生日会をした。何をやってもちゃきちゃき手際がよくて、せっかちな俺にとっては本当に助かる存在で椅子部門の一番弟子だ。買い出し、掃除、軽作業の雑用係としてKOMAに入ってきたのは5年前になる。当時はぬるいアマちゃん小娘で何の期待もしていなかったから、会話どころか目を合あすこともなかった。1年半を過ぎた頃からか少しずつ頭角を現してきたのは、刃物を使った椅子の仕上げ部門。陰での努力もあったろうが、とにかく刃物を使う感覚が良かった。これは、いくら練習しても人によっては一生できない内容でもあるように思う。技術的にももちろんだが削り出した最終的な形状の正解は、俺の頭と手の中にだけ存在していて、それを理解するのがまず難しいからだ。だからアシスタントを育てることそのものが難しい分野で、俺だけでは生産力に限界がありプロパーの定番商品づくりには手が出せずにいた中、それが出来るようになったのも彼女の成長の力が大きい。手作業ならではの座り心地などの機能にこだわりながら、定番として数を作りコストを抑えて市場に出せる。現在のKOMAのスタイルである「一点物作品のクオリティーを製品に落とし込む」を実現する切っ掛けのキーマンは彼女であると言っていい。今では、職人としての製作以外にも製品の在庫、納期、若衆の技術指導から出勤や給与、俺のスケジュールなど様々を管理するマネージャー的な役割までこなしてくれる。3〜4年前、若い衆が次々に辞めてしまう時期にも彼女だけは残ってくれて今のKOMAをつくる一つの原動力になってくれた。とにかく求められたら、どんなことでも弱音を吐かず全力で取り組んでくれる意地と根性の塊みたいな人である。今では会社の方向性を決める会議にも参加して、共有した意志を若い衆に伝えて引っ張る役割もこなそうとしてくれている。そうやってヤルことヤッてスジを通して、会社に対してもきちんと意見もする。それでも俺の直下だからキツい言葉で一番怒られるのも彼女の役割だ。おそらく全ての経営者が「こんな子がいてくれたら会社が良くなるだろうな〜」と理想に想うであろう「こんな子」だ。上手くいったら儲けもんだし、下手こいても元に戻ればいいだけで失うモノなんて何もない。年齢も性別も経験年数も関係ない。ガンガン新しい事にチャレンジしてドンドン成長しよう!ってのがKOMAのスタイルで、それを理解して体現しようと先頭に立って努めてくれているのが彼女である。一人一人のオリジナリティーが輝く会社にしたいと願っている俺にとって彼女は、まさにそんな理想を現実にしてくれる第一歩であり超嬉しい存在だ。経験年数はまだ5年の25歳。力も必要な職人としては大きなビハインドを持つ女性だ。そんな彼女が「だから?なんでアタシにできて、あんたら男にできないの?」なんて態度で黙々と仕事をする後ろ姿に、いつも心の中で喝采をおくっている。そんな彼女がTV番組「にじいろジーン」に出演します!!関西テレビ(フジテレビ系列)8チャンネル3月10日(土)8:30〜9:55の9:20頃からミラクルチェンジのコーナーです。長々と番組の宣伝でした〜笑乞うご期待です!! We held the party celebrating 25th birthday of Takeuchi Mai-chan. She is efficient and quick, thus, given my impatience, I truly rely on her and first disciple in chair...
15周年の初詣
皆でお揃いの法被を着て毎年恒例の初詣に行ってきた。大きな鳥居をくぐり参道に入ると細かい砂利に脚が取られて物憂いだが、目を閉じてザクッザクッという音と歩いていると雪や砂浜とはまた違う何か自然の上を踏みしめているような錯覚を覚える。砂利の大きさや量の程良い加減を計算して人工的に感覚までもを創造するのはいかにも日本的なモノづくりの発想で心地が良い。社殿に上がり横一列に並んで正座をして1年の安全と商売繁盛を願い祈祷してもらう。やるだけやったら後は神頼みという単なる験担ぎだが、神主さんが唱える祝詞と幣を振るうサッサッという音が頭の上を行ったり来たりするうちに不慣れな正座に脚が限界を迎えて頭までシビレてくると「ああ今年も始まったなあ」と実感する。参道にはずらりと屋台が並び参拝客で賑わっているが、ピンと張った糸のような緊張感はいつもと同じで背筋が伸びる。熱いワンカップ酒と焼きそば、たこ焼き、モツ煮、お好み焼き、焼き鳥などなど屋台の端から端まで全部ちょうだいってな具合で、寒い中ガタガタ震えながら泥酔するのが毎年の恒例行事だ。数えてみると、そう言えば今年はお陰様でKOMA創業15周年だ。勢い勇んで全くのノープランで独立した割によく続いたなあと思う。独立して最初の頃の仕事は「クオリティーなんてこだわらなくてイイから安く早くして!」なんて言われるようなものばかりで何だか悔しくて、良いモノづくりの環境を与えてもらっていた修業時代を思い出しては、売れる当てもない作品づくりを意地になって続けていた。そうやって続けるだけで精一杯の8年間を過ごし、ようやく自社製品づくりのチャレンジを少しずつ始められるようになったのは今から7年前。そのタイミングでいきなり与えてもらった伊勢丹新宿店のメインステージ45平米は大きなチャンスとなった。2013年に10坪の小さな直営店KOMAshopを開店し、念願だった自社製品を展開し始めたのはまだたった5年前。こうして見ると、あらためて自分たちはまだまだ新参者だと認識します。それこそ青山辺りには老舗のインテリやショップが多くあって学生の頃はしょっちゅう憧れの目で覗き回っていた。実は相棒の亀井が職人志望で面接を受けて不採用になった家具屋さんもあったりする。長く続いているショップはそれぞれのオリジナリティーがあって、いちファンとしての気持ちは今でも自分の中に変わらず存在しています。今は自分たちのショップにあの頃の俺たちみたいな学生さんや若い家具職人さんが全国から見学に来てくれることがすごく嬉しいしガッカリされないように頑張ろうという気になります。この日は工房に帰ってまた呑みなおす。みんなで書き初めをして1年の抱負を額に入れて事務所に飾る。酔った勢いで気持ちがデカくなって背伸びをして書くから面白い。これは今年から新しくはじめた行事だ。この日は例のKOMA1-GPの第2回を行った。テーマは「ゴミ箱」で、また俺が優勝して賞金1万円を獲得したが「経費つかい過ぎです!」の武内マイちゃんの一言で財布に入る前に没収された。さあ今年は何が起るのか。去年が遠く霞んでしまうくらい先に進んで、10年後に旨い酒が呑めるような楽しい思い出を皆で沢山つくれたらイイな〜と思っています! We conducted our regular event visiting shrine for the first time in 2018 wearing matching happi coat. Walking the graveled approach to the shrine after passing Torii gate would...
15周年の初詣
皆でお揃いの法被を着て毎年恒例の初詣に行ってきた。大きな鳥居をくぐり参道に入ると細かい砂利に脚が取られて物憂いだが、目を閉じてザクッザクッという音と歩いていると雪や砂浜とはまた違う何か自然の上を踏みしめているような錯覚を覚える。砂利の大きさや量の程良い加減を計算して人工的に感覚までもを創造するのはいかにも日本的なモノづくりの発想で心地が良い。社殿に上がり横一列に並んで正座をして1年の安全と商売繁盛を願い祈祷してもらう。やるだけやったら後は神頼みという単なる験担ぎだが、神主さんが唱える祝詞と幣を振るうサッサッという音が頭の上を行ったり来たりするうちに不慣れな正座に脚が限界を迎えて頭までシビレてくると「ああ今年も始まったなあ」と実感する。参道にはずらりと屋台が並び参拝客で賑わっているが、ピンと張った糸のような緊張感はいつもと同じで背筋が伸びる。熱いワンカップ酒と焼きそば、たこ焼き、モツ煮、お好み焼き、焼き鳥などなど屋台の端から端まで全部ちょうだいってな具合で、寒い中ガタガタ震えながら泥酔するのが毎年の恒例行事だ。数えてみると、そう言えば今年はお陰様でKOMA創業15周年だ。勢い勇んで全くのノープランで独立した割によく続いたなあと思う。独立して最初の頃の仕事は「クオリティーなんてこだわらなくてイイから安く早くして!」なんて言われるようなものばかりで何だか悔しくて、良いモノづくりの環境を与えてもらっていた修業時代を思い出しては、売れる当てもない作品づくりを意地になって続けていた。そうやって続けるだけで精一杯の8年間を過ごし、ようやく自社製品づくりのチャレンジを少しずつ始められるようになったのは今から7年前。そのタイミングでいきなり与えてもらった伊勢丹新宿店のメインステージ45平米は大きなチャンスとなった。2013年に10坪の小さな直営店KOMAshopを開店し、念願だった自社製品を展開し始めたのはまだたった5年前。こうして見ると、あらためて自分たちはまだまだ新参者だと認識します。それこそ青山辺りには老舗のインテリやショップが多くあって学生の頃はしょっちゅう憧れの目で覗き回っていた。実は相棒の亀井が職人志望で面接を受けて不採用になった家具屋さんもあったりする。長く続いているショップはそれぞれのオリジナリティーがあって、いちファンとしての気持ちは今でも自分の中に変わらず存在しています。今は自分たちのショップにあの頃の俺たちみたいな学生さんや若い家具職人さんが全国から見学に来てくれることがすごく嬉しいしガッカリされないように頑張ろうという気になります。この日は工房に帰ってまた呑みなおす。みんなで書き初めをして1年の抱負を額に入れて事務所に飾る。酔った勢いで気持ちがデカくなって背伸びをして書くから面白い。これは今年から新しくはじめた行事だ。この日は例のKOMA1-GPの第2回を行った。テーマは「ゴミ箱」で、また俺が優勝して賞金1万円を獲得したが「経費つかい過ぎです!」の武内マイちゃんの一言で財布に入る前に没収された。さあ今年は何が起るのか。去年が遠く霞んでしまうくらい先に進んで、10年後に旨い酒が呑めるような楽しい思い出を皆で沢山つくれたらイイな〜と思っています! We conducted our regular event visiting shrine for the first time in 2018 wearing matching happi coat. Walking the graveled approach to the shrine after passing Torii gate would...
アルバイト
中国出身で慶応大学に在学中の語学堪能な女の子が面接に来てくれた。元は北京の大学を出て銀行のフィナンシャルプランナーなんて事をしていたらしい。KOMAにとっては異色の経歴で興味が湧いた。いつも面接は午前中からスタートして簡単に挨拶をしたらそのまま工房で作業を体験してもらう。武内マイちゃんがサッと用意してくれる「同じ釜の飯」の昼食をみんなで共にして、また午後から作業をしてもらい、安いが日当も支払う。次の段階は、来れる範囲の週1ペースでバイトに来てもらうか3ヶ月のトライアルをしてもらう。こちらが見たいのではなくてこちらを見てもらいたい。自分に合うか、続けられそうかを見て体感して判断してもらいたい。多くの時間を費やすことになる仕事と職場をしっかり選んでもらいたい。今までも沢山の人が入ってきて離れていった。本当にハードな時期にいてくれた一人一人に感謝しているし、勝手ながら惜しいことをしたなぁと思う人が何人もいる。何れにせよ大抵の場合は会社と俺に落ち度があり、その度に後悔して少しずつだが働く環境は改善されてきた。会社の成長は人の成長とイコールだと分かっているが、モチベーションを持ってイキイキ成長できる環境とは何か?それが簡単に実現できたら苦労しない。今までもその時なりに一生懸命やってきたつもりだが、振返ってみるとやはり良くないことばかりだったとあらためて反省する。そしてこの冬から現メンバーの努力の甲斐もあって、若い衆の働き方を根本的に変えられるような新しいチャレンジが始まった。1日8時間で20日勤務が月の基本で残業はあっても2時間まで。月間160時間〜最大でも200時間未満といったところだ。毎月10日の休みがあってだいぶ時間にゆとりが出来る。その時間の使い方は自由だが、もし作品を作ったら会社が買い取って本人の紹介プロフィールと共にshopで展示販売する制度や、日常の業務中では時間の縛りがあって丁寧に教えたりチャレンジできない内容の作業を時間外業務として一緒にやる制度などもできた。「もっと上手くなりたい」とか「もっと稼ぎたい」理由は何でも良いが、やりたい人はいくらでもチャレンジできる。ヤル気に溢れるウチの若い衆達の場合、会社が下手に縛るより本人達の自由にした方が伸びるだろう!との想いもある。少なくともモノづくりが好きで意欲的に前進したい者にとってはチャンスもあって良い環境だと思う。きっと職人という職業の未来も他と同様に明るくないと思う。近い将来ほとんどの人の手技は機械に勝てなくなるだろし、効率の良い優れた設計やデザインも人工知能が人の経験に勝るのだろう。グローバルな技術の進歩なんて俺のオツムじゃもう予想もできない。だけど「オリジナリティーがあれば何の問題もない」と楽観的に見ている。職人にとってのそれは、作って造って創りまくったその先に見えてくるものだと信じている。そりゃあ人の何倍かはやらなきゃダメだろうけど、ただそれだけのことだと思う。時代の波は個人の想いなど微塵も関係なく勝手にカタチを変えながら進んでいく。その途方もなく大きなウネリに抗い変化を拒んだ途端、一瞬で飲み込まれモミクチャにされて、気付いた時には上も下も前も後ろも何かも見失なって取り残されてしまうような気がする。この時代は予想できないくらいスピードもサイズもあって難しそうだけどその分「乗れたら最高にキモチ良さそうだ!」とこれもまたサーフィン気分で楽しめれば良いくらいに楽観視している。変わりたくないからこそ変わらなければならない。俺たちで言えば「良い家具を創りたい」という初心を変わらずに持ち続けるためにチャレンジして世の中の変化と共に変わり続けなければならない。普遍的なモノはその春秋を経た先に表現出来るのだと思う。KOMAは恐れることなく皆でガンガン挑戦しながら変化を楽しんで、一人一人がオリジナリティーのある職人の集団でありたいと思っています。そんな職人達それぞれの個性が光る作品のファンになってくれる人が次第に増えていって、一人一人が主役で輝けるような「ロックバンドみたいな会社」を目指すのも修業時代に憧れた自分勝手な初心の一つです。全ての人に受け入れられるモノなんて作れないし、誰にとっても居心地が良い会社なんかもつくれません。限られているからこそ、響いてくれるお客様や仲間達の有り難みを感じます。現在週一でアルバイトに来てくれているのは、プロダクトデザインをしっかり勉強した女の子と韓国出身のイケメン専門学生。二人とも魅力的でよく頑張ってくれる。今回の中国から来た女の子は家庭の急な事情で国に帰らなくてはならなくなってしまった。映画を見てるだけで言語が覚えられるというから相等アタマが良いんだろう。陽気でハツラツとしたすごく可愛らしい子だった。帰り際にKOMAのパーカーをあげたら飛び跳ねて喜んでくれた。「中国に帰ったらコレ着てKOMAの宣伝する!」「中国に来る時は力になるから声かけて!」「また日本に帰って来れたら働かせて!」たった数時間の付き合いだったけど、いつか何かで関わるんじゃないかと直感する良い出会いだった。俺は頭も顔も性格も良くないがテキトーな直感力だけは自信がある。 I had an interview of a female proficient in language studying in Keio University. She graduated from a university in Beijing and worked in a bank taking financial planner....
アルバイト
中国出身で慶応大学に在学中の語学堪能な女の子が面接に来てくれた。元は北京の大学を出て銀行のフィナンシャルプランナーなんて事をしていたらしい。KOMAにとっては異色の経歴で興味が湧いた。いつも面接は午前中からスタートして簡単に挨拶をしたらそのまま工房で作業を体験してもらう。武内マイちゃんがサッと用意してくれる「同じ釜の飯」の昼食をみんなで共にして、また午後から作業をしてもらい、安いが日当も支払う。次の段階は、来れる範囲の週1ペースでバイトに来てもらうか3ヶ月のトライアルをしてもらう。こちらが見たいのではなくてこちらを見てもらいたい。自分に合うか、続けられそうかを見て体感して判断してもらいたい。多くの時間を費やすことになる仕事と職場をしっかり選んでもらいたい。今までも沢山の人が入ってきて離れていった。本当にハードな時期にいてくれた一人一人に感謝しているし、勝手ながら惜しいことをしたなぁと思う人が何人もいる。何れにせよ大抵の場合は会社と俺に落ち度があり、その度に後悔して少しずつだが働く環境は改善されてきた。会社の成長は人の成長とイコールだと分かっているが、モチベーションを持ってイキイキ成長できる環境とは何か?それが簡単に実現できたら苦労しない。今までもその時なりに一生懸命やってきたつもりだが、振返ってみるとやはり良くないことばかりだったとあらためて反省する。そしてこの冬から現メンバーの努力の甲斐もあって、若い衆の働き方を根本的に変えられるような新しいチャレンジが始まった。1日8時間で20日勤務が月の基本で残業はあっても2時間まで。月間160時間〜最大でも200時間未満といったところだ。毎月10日の休みがあってだいぶ時間にゆとりが出来る。その時間の使い方は自由だが、もし作品を作ったら会社が買い取って本人の紹介プロフィールと共にshopで展示販売する制度や、日常の業務中では時間の縛りがあって丁寧に教えたりチャレンジできない内容の作業を時間外業務として一緒にやる制度などもできた。「もっと上手くなりたい」とか「もっと稼ぎたい」理由は何でも良いが、やりたい人はいくらでもチャレンジできる。ヤル気に溢れるウチの若い衆達の場合、会社が下手に縛るより本人達の自由にした方が伸びるだろう!との想いもある。少なくともモノづくりが好きで意欲的に前進したい者にとってはチャンスもあって良い環境だと思う。きっと職人という職業の未来も他と同様に明るくないと思う。近い将来ほとんどの人の手技は機械に勝てなくなるだろし、効率の良い優れた設計やデザインも人工知能が人の経験に勝るのだろう。グローバルな技術の進歩なんて俺のオツムじゃもう予想もできない。だけど「オリジナリティーがあれば何の問題もない」と楽観的に見ている。職人にとってのそれは、作って造って創りまくったその先に見えてくるものだと信じている。そりゃあ人の何倍かはやらなきゃダメだろうけど、ただそれだけのことだと思う。時代の波は個人の想いなど微塵も関係なく勝手にカタチを変えながら進んでいく。その途方もなく大きなウネリに抗い変化を拒んだ途端、一瞬で飲み込まれモミクチャにされて、気付いた時には上も下も前も後ろも何かも見失なって取り残されてしまうような気がする。この時代は予想できないくらいスピードもサイズもあって難しそうだけどその分「乗れたら最高にキモチ良さそうだ!」とこれもまたサーフィン気分で楽しめれば良いくらいに楽観視している。変わりたくないからこそ変わらなければならない。俺たちで言えば「良い家具を創りたい」という初心を変わらずに持ち続けるためにチャレンジして世の中の変化と共に変わり続けなければならない。普遍的なモノはその春秋を経た先に表現出来るのだと思う。KOMAは恐れることなく皆でガンガン挑戦しながら変化を楽しんで、一人一人がオリジナリティーのある職人の集団でありたいと思っています。そんな職人達それぞれの個性が光る作品のファンになってくれる人が次第に増えていって、一人一人が主役で輝けるような「ロックバンドみたいな会社」を目指すのも修業時代に憧れた自分勝手な初心の一つです。全ての人に受け入れられるモノなんて作れないし、誰にとっても居心地が良い会社なんかもつくれません。限られているからこそ、響いてくれるお客様や仲間達の有り難みを感じます。現在週一でアルバイトに来てくれているのは、プロダクトデザインをしっかり勉強した女の子と韓国出身のイケメン専門学生。二人とも魅力的でよく頑張ってくれる。今回の中国から来た女の子は家庭の急な事情で国に帰らなくてはならなくなってしまった。映画を見てるだけで言語が覚えられるというから相等アタマが良いんだろう。陽気でハツラツとしたすごく可愛らしい子だった。帰り際にKOMAのパーカーをあげたら飛び跳ねて喜んでくれた。「中国に帰ったらコレ着てKOMAの宣伝する!」「中国に来る時は力になるから声かけて!」「また日本に帰って来れたら働かせて!」たった数時間の付き合いだったけど、いつか何かで関わるんじゃないかと直感する良い出会いだった。俺は頭も顔も性格も良くないがテキトーな直感力だけは自信がある。 I had an interview of a female proficient in language studying in Keio University. She graduated from a university in Beijing and worked in a bank taking financial planner....