tie sofa 2024
tie sofa 2024
納期 : 5ヶ月前後
前作のtie sofa2018は2022年までで廃盤とした。
その理由は製品として生産していくのが多くの面で困難だと判断したからだった。
ブロック状にはぎ合わせた15kgの笠木を手で抱えて機械に押し当てながら5kgになるまで削り出していくのだが、これがキツい。
体力には自信がある方だが1時間半の作業を終えた頃には手が震えて鉛筆も持てなくなる。
そうやって削り出した笠木をフレームと組み合わせ、鉋や刀などの刃物を使った手仕上げがはじまる。
大きな面のカーブを歪みなくビシッと仕上げていくのはただでさえ高いレベルの技術を要する。
それに加えて木目が複雑に入り組んだ難しい木材に当たってしまった時なんかは途方に暮れる。
そして、特別に幅の広い木材をストックする必要もあるのだが、それらはいつでも手に入るわけではなく常備するのが難しい。
などなどこれらの理由で晴れて生産中止としたのだった。
それなのにあれから2年。
tie chairはさらに大変になって復活した。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」からか。
「苦難も過ぎてしまえば甘い」からか。
頭にふっと新しいデザインが浮かんだらもう止まらない。
気がつけば原寸図を描き、部品の型を準備してしまった。
材木置き場には、もしもの為に取っておいた特別な木材がちゃんと用意してある。
これでは準備万端ではないか。。もうやるしかない。
台風の日にサーフィンに出掛けて、自分の限界ギリギリの波を目の当たりにしているような感覚に似ていると思った。
「いやぁキツそうだなあ」などと不安に思いつつ、手には汗を握ってワクワクしているあれだ。
だって困難が大きいほど、それを無我夢中で乗り越えた時の快感は格別だと知ってしまっている。
2年間の時間をおいてあらためて向き合ったtie chairは多くの気づきをくれた。
ここのところ自分の成長がいつ頭打ちするのかと心配していたのだが、設計力や道具を操る技術に加え美意識やセンスといった感覚的な部分もこの2年で大きく伸びていた。
それは、お前なんぞはそんな心配をするレベルではなく、未だ修行の身であるのだと言われたような気がする。
そして俺にとって最もエキサイティングなことは、やっぱりこの家具を作る仕事なんだと教えてくれた。
SIZE W1960 D900 H760 SH400
MATERIAL cherry / walnut
FABRIC Kvadrat Safire
※ その他の生地をご所望の場合はお問い合わせ下さい。
※ クッションは大小1つずつセットになります。
追加は cushion S をお求めください。
Designed by Shigeki Matsuoka
※ 沖縄県・離島に配送を希望される場合はお問い合わせください。
※納期:5ヶ月前後
※木目、色味等、表情が一点一点異なります。天然木ならではの個性、表情、経年変化をお楽しみください。
※形状、サイズに若干の個体差がございます。
※十分に乾燥された木材を使用していますが、天然木がゆえ若干の動き(接ぎ目の小さなズレや反り等)が生じる場合がございます。
※保証期限は納品日から1年間です。製造過程、構造上の欠陥により破損した場合無償で修理致します。不適切な取り扱いや不注意による破損、直射日光や暖房機器の熱などによる変形、変色等は対象外となりますのでご注意ください。
椅子カラーチャート
【wood】
【fabric】