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MUSE Design Awards 2023 金賞受賞

椅子という道具にとって最も重要な「座り心地が良い」とは何かをあらためて考える。
例えば3時間椅子に座っている間、じっと動かずにいる人はいない。
背に深くもたれたり、座面に浅く腰かけたり、足を組んだり、アームにもたれかかったりと人は椅子の上で様々な姿勢をとる。
そのどの体勢も心地良く、長く座っていても疲れない。それが座り心地の良い椅子だ。
そんな椅子の座り心地を左右する要素は角度とカーブと寸法のそれぞれのバランスになる。

デザインをする時は、まず最初に椅子の用途や目的を決める。
食事や仕事などの作業のための椅子なのか、体をゆったりあずけてくつろぐことを目的とした椅子なのか。
前者を基準にするなら後者に近づくほど座面は低くなり幅も奥行きも広くなる。そして背もたれ、座面ともに角度は後ろに倒れる。
その高さや広さ角度に合わせたそれぞれのカーブの具合との組み合わせで座り心地をつくっていく。

Curva lounge chairの深いカーブと広い面積が両立された背もたれは体をしっかり包み込み、刃物を使った手作業でしか表現できない造形を持つアームは、肘を置いた時にしっくり腕に馴染みます。
座と背のクッションは硬質と軟質をバランス良く2層にし、最初の当たりは柔らかいが沈み込まずにしっかり支えるクッション性は腰への負担を軽減しています。
SHは350㎜と低めに設定し、それに合わせた広い座面と角度の設計により休日や1日の終わりにのんびりくつろぐのに最適な椅子に仕上がりました。